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“売れない魚”の寿司が、売れる秘訣とは!?

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 魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり、さばくのが面倒だったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。東京都墨田区にある「黒酢の寿司 京山」だ。

 京山は1999年3月にオープン。その年の5月に、やっかいもの扱いされてきた魚を仕入れて、「おまかせセット」として販売したところ、あれよあれよという間に火がついた。一番人気の「特上 おまかせセット」は50個入りで、価格は6459円(税込み)。マグロの赤身やサーモン、エビといった“定番”のほかに、未利用魚を4割ほど使っている。

 東京23区内であれば届けてくれるので、「週末、注文してみるか」と思った人もいるかもしれないが、記者は2つの疑問が浮かんだ。1つは、捨てられていたかもしれない魚の寿司が、なぜ売れているのか。もう1つは、さばくのに手間がかかるのに、なぜ20年も続けることができたのか、である。

 その謎を解くために、京山の朝山議尊(あさやま・よしたか)社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

「おまかせセット」ができたきっかけ

土肥: やっかいもの扱いされている「未利用魚」を使った宅配寿司「おまかせセット」が売れているそうですね。未利用魚とは、大きさが不ぞろいだったり、鮮度が落ちやすかったり、調理が面倒だったりするわけですが、なぜこのような魚を使った寿司をつくることになったのでしょうか?

朝山: 店をオープンさせて、毎日のように東京の築地市場で魚を購入していました。宅配寿司なので、メニューは決まっているんですよね。マグロ、カンパチ、タイといった感じで。ただ、築地の中を歩き回っていると、さまざまな魚を目にすることができるんですよね。深海魚がいたり、足が付いていたり。「この魚って、どんな味がするんだろう」と思って、ついつい買ってしまうわけですよ。ただ、メニューには「深海魚」などと書かれていないので、そうした魚を売ることはできません。

 店の仲間からは、このように言われました。「商売にならないですよ」「こんな魚、買ってこないでください」と。お叱りを受けていたわけですが、それでも築地に足を運ぶと、またヘンな魚を買ってしまう。「この魚って、どんな味がするんだろう」「ちょっと買ってみるか」と好奇心に負けてしまう。

 買ったのに捨てるのはもったいないので、割安で販売してみてはどうかと考えたんですよね。当時、1貫180~250円ほどで販売していたのですが、ヘンな魚が入ったセットを30貫3000円で販売することにしました。

土肥: 店の仲間からはどのような声がありましたか?

朝山: ものすごく反対されました。「絶対に止めてください」「売れるわけがないですよ」「闇鍋みたいじゃないですか」などと言われたので、ちょっと工夫することに。おまかせセットのフタを開けて、ヘンな魚ばかりだと、お客さんはひいてしまうかもしれない。というわけで、マグロ、エビ、イクラ、卵などを入れて、そのほかはヘンな魚を詰めてみたところ、ものすごく売れたんですよね。あっという間に、店で一番人気の商品になりました。

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