RanQ


専門家がイノベーションを見落としてしまう理由

  • Thumb new kigyoka
  • 4
  • 639View

 

Airbnbのピッチを受けた投資家の多くは、『クレイジーだ』といって投資を見送った。
世の時代がついてこないようなクレイジーなものを作れ』と常々語っているシリコンバレーの専門家は本当にクレイジーなアイディアを『それはさすがに無理だ』と敬遠したのである。

GoogleにAmazon、Facebook、iPhoneなど今まで世界を変えたイノベーションを、イノベーションの種を専門家は幾度となく見送ってきた。
Airbnbもそうだし、歴史上のそれらの例もまた専門家はつい数年後にイノベーションを起こすプロダクトを悠々と見送ってしまったのである。

なぜ、スタートアップを研究し続けている専門家(多くの場合はVCやアナリスト)はそれらを見落としてしまうのだろうか。

 

その結論はたった1つ『先を見過ぎている』からだ。

スタートアップに関する、ビジネスやテクノロジーに関する最先端のメディアほど、『スマホバブルアプリバブルは終わった次はVRだIoTだ』と叫んでいる。
しかし、スマホアプリとして跳ねたのはソシャゲやSNSくらいのもので、スマホシフトはまだ全然されていない。いくらでもレガシーな分野というのはある。

IoTにVRといった今存在しないような技術を取りざたしているのは、とりあえず新しいものに飛びついていているだけだ。『スマホが大いに世界を変えた、では次は何だ!』と彼らは考える。次なる何かを追い求める。

 

ただ、そこに過ちがある。スマホが世界を変えたのは事実だ。
では、スマホは世界を変え切ったのか?

そう、彼らは未だに起こっている、むしろこれからピークを迎える変化に目を向けることなく、次を探してしまうのである。
たしかに、VRやIoTは魅力的な技術だ。間違いなく大きな変革をもたらす。ただ、彼らはタイミングが見えていない。新しい技術がこの世に生まれた、もしくは概念が生まれたその段階では世界に浸透しない。そこからまだまだ時間がかかるのである。では、いつになったらキャッシュを生むのか、ここが問題なのだが、彼らはここを見極める力が乏しい。

 

次はなんだ次はなんだと新たな領域に目を向けるのもいいが、IT革命もスマホシフトも現在進行系で起こっている。まだまだIT化されてない領域はものすごいある。今これから世界を変えるのはそうした分野だ。真新しい技術に飛びつくのではなく、今ある既存の技術で何ができるのか、今あるカードで何ができるのかを考えるべきだ。
まだ実用レベルになりそうにもない技術を煽り立てるような、無い袖を振る暇があったら、選択肢を使ってどんなことができるかに頭を振り絞るのが可能性を高めるだろう。

 

IT化やスマホシフトといった、そういう既存領域があとどれだけ可能性を残しているかにビジネスチャンスってある。(まあそこでアイディアを出せる、可能性の高いイノベーションを振り絞る能力があったら、彼らはVCや投資家なんてせずにとっくの昔に自分でイノベーションを起こしているかもしれない。)

Googleができたとき、ヤフーは検索エンジンなんてポータルサイトの中によくある一つの機能だと思った。Facebookができたとき、世界は『SNSなんて儲からない、しかもそれを金のない学生をターゲットにするなんて』とこき下ろした。
イノベーションはだいたい今更感の中にある。注目すべきは、新しい技術ではなくて、今ある技術ではたしてどんなことができるかだ。まだ残されている世界の不都合や、ユーザーの求めるものを実現することでしかイノベーションは生まれない。

 

AIがなんだVRがなんだと流行り物に飛びつくのはいいけど、すでに存在する領域でもまだ改良の余地やユーザーの不自由も存在して、そこを蔑ろにしてはいけないと強く思う。 やるべきことを見失って、真新しいなんとなく楽しそうなものばかりに心移りするとだいたいうまくいかない。
イノベーションとは、新しい技術から生まれるのではなく、その技術をどうやって使うか考えることで生まれるものだ。

 

 

Thumb new kigyoka

起業家.comの代表の人ツイッターはこちら