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アイドルは恋愛が許されないという異常なビジネス

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AKBの総選挙(人気投票みたいなもの)のスピーチで、結婚を発表したアイドルがいてちょっとした話題になっていた。その中では、論争みたいなものもあって、大別すると以下の2つの意見が巡っている。

・恋愛禁止なのに裏切られた!
・アイドルだって恋愛するでしょキモい

どっちも理解できる部分はある。
アイドルは『恋愛禁止』を自ら謳っている。『恋愛しまーす』とか言うアイドルはまあほぼいないし、それを積極的に発信している。だからこそファンが応援する部分もあるかもしれないし、少なくとも『彼氏います』と公言しているアイドルを応援しなかっただろう。

一方、『恋愛は自然な行為でそれを禁止するなんておかしい』というのもまあ頷ける。どうせ恋愛するだろ(してるだろ)というのは冷静に見ればそれは正論なわけである。

 

私は、人を幸せに騙す仕事というものがあると思っている。
アイドルとか水商売(キャバ嬢)とかがそれにあたる。客を勘違いさせるのが仕事なわけで、気持ちよく勘違いさせてあげるのが仕事だ。だって、勘違いでもしなければ付き合うことはおろか連絡先すら知らない相手に何百万も投じない。何か常識の感覚ではおかしなことが起こっているのだからこそこれだけビッグビジネスになっているのである。

そういう中で、気持ち悪い客に対して文句を言うのはもちろん偶像から逸れたことをするのもプロとして違うと思う。 幸せな勘違いさせるビジネスなのだから、幸せな勘違いから目を覚まさせてはいけない、それがプロではないだろうか。塾講師が『ぶっちゃけ勉強なんかしてもどうせ才能で人生決まるよ』って言ってはいけない。正論であってもそれはお金をもらっている相手に対して失礼だと思う。

もしそれを言うならば最初の時点で言うべきだ。
『アイドルと付き合えるわけねーだろ仕事だから愛想よくしてるだけだよ』と最初から言うべきなのである。『あなたのことが大事です』と言うのに、勘違いさせるようなことを言うのに、『勘違いするなよキモい』はあまりにファンがかわいそうではないか。

『ファンがキモい』そう思うかもしれない。『アイドルだって恋愛したいよ』そう思うだろう。その方が普通の感情だ。
にも関わらず、愛想を振りまき、勘違いさせる構造というのがアイドルのビジネスなのである。勘違いを前提にして成立しているビジネスなのだからそれは最低限受け入れるべきで、その勘違いを肯定する(『キモい』とか言わない)べきなのではないか。

『アイドルだって普通に恋愛するよ』は正論だけど、
『それを理解できるような人間はアイドルに金注ぎ込まないよ』もまた正論だと思う。
普通の感覚の人間を相手に商売しているわけじゃないんだから、普通の感覚の常識が正しいと思ってはいけない。

常識を振りかざす以前にサービスそのものが非常識である。
非常識だろうと、ファンにとってはアイドルを信じることのできるその瞬間、空間が幸せなのである。それを大金はたいて買っている。アイドルも、事務所も、それを分かっていないはずがない。10秒そこらの握手に1000円の価値なんてあるはずがないだろ。それなら、その副作用を、ファンの異常なまでの執着を、ある程度理解するべきなのではと思う。

 

 

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