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今話題のVALUって法律的にアウトじゃないの?専門家の見解は?

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面白そうなサービスが出てきた。VALUという自分自身を株式のように売買できるサービス。これ普通に法律的にアウトじゃないのかな。『ビットコインを使って取引しているから大丈夫(仮想通貨交換業には該当しない)』ってそれただ日本という国で取り締まる権限がないというだけなのでは?

普通にネズミ講的な使い方もいくらでもできるはずだ。もともと価値のないものを取引しているのだから。(そういう意味で言うとビットコインも価値はないのだけど…)

VALUは一躍スタートアップ界の話題に

VALUが出てきてから少し経っただろうか。

コンセプトそのものが面白いこと、そしてVALUの持つ投機性の魅力も相まって少なくともスタートアップやIT業界に関しては、VALUを知らない者の方が少ないまでにはなっているだろう。適法性などについては後述するとして、VALUに人を惹きつける何かがあることはまぎれもない事実だ。

 

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イノベーションを大義名分にグレーゾーンに踏み込む経営者たち

 

この記事で書いたのだが、
今、多くの法律的にどうなの?グレーじゃないの?というようなサービスが出てきているが、その一方でそれらのサービスは話題を呼ぶほどには成功を収めている。

 

少なくとも、これらの問題が指摘されるサービスは、人の心に響く何かがある。『なんか面白そうじゃん』という話題性を生むだけの何かがあることは間違いないだろう。それはVALUも同じで、多くのユーザーが楽しんでいる、これはVALUのサービスとして素晴らしい部分だ。

VALUの適法性は金融庁に通って確認とのこと

TechCrunchの記事では金融庁に通って確認したと言っているけど、金融庁って『これはセーフです』なんて明言してくれなかった気がする。アウトであるものはアウトであると言うだけで、グレーラインの判定は自分で行うしかないと思うんだけど。解釈の仕方はその時々によって決まるし、『確認したから絶対セーフです!』とはならない。法律が万人にとって全く同じ解釈になるのならば、ホリエモンのlivedoorが粉飾決算で、東芝が不適切会計なのはちゃんちゃらおかしい話だ。

法律は完全な存在ではなく、解釈の仕方によって決まる部分が大いにある。だからこそ、法律はその世の中の実態によって変わっていくし、そう簡単にセーフとかアウトとか割り切ることはできない。適法かどうかの判断はまだ完全にはできないだろう。

そして、今後取り締まる法律ができる気がする。

VALUは従来の仮想通貨とは違う

VALUそのものは仮想通貨と同じと言えばたしかにそうなんだけど、優待を出すことをわりと前提にしていたりする点は今までの仮想通貨と全く同じで扱うことはできない。
もし誰かが『こんな優待出します!』って言って発行してから全て売りさばいてトンズラこいたらどうなるんだろ。株式などは、優待の有無に関わらずその企業の一部を保有しているという点があるけど、人間はその本人のものだし、コントロールできない。その人間の株式の51%を保有すれば全てをコントロールし、その人間の収入は全て株主のものとできれば確かに株式会社と同じかもしれないが、そのようなことは当然人権侵害になる。

 

仮想通貨はそもそも通貨として価値をなんら保証しない存在としてあるのに対して(各国の通貨は当然、中央管理者が価値を保証している)、VALUは優待などの対価をある種前提として流通しているのでそこは大きな違いであるように思える。債券などの有価証券は一定の効力があるが、それがないのに対価を想起させるのはセーフなのか…
『こんな優待します!』って言っている人が、それができなくなってただの紙くず(優待によって価値が維持されていると仮定して)になるのはセーフなのだろうか。会社が上場するのはあんなに大変(紙くずになる可能性もあるから当然東証などによる厳しい審査がある)なのに対して、会社の株式より遥かに権利の小さい通貨?が簡単に実質上場できるのは今までのルールというか概念とは矛盾するようにも見える。

株価操縦(意図的に価格を釣り上げたり下げたりする)は当然刑事罰に値するのだけど、この場合はどうなるんだろうか。インサイダーは?仮想通貨によって新たに生まれた概念に対して法整備が追いついていないし、法律を作る側の思考も追いついていない。
悪いことをすればいくらでもできるという状態だ。VALUに限らず、法律は性悪説に基づいて設定しなければいけないので(性善説に基づいたらそもそも法律なんてなくてもみんな幸せに暮らせるはずだ)、悪さし放題のこの状況は司法の介入余地がかなりあるだろう。

つまり、法律によって何かしらの規制される可能性大ということだ。

 

YouTuberのヒカル氏が全保有分を売り出す

なお、上記で予想されたことと同様のことが2017年8月15日に起こった。

YouTuberであるヒカル氏が全保有分を売り出すという事件?を起こした。

ヒカル氏は『明日優待に関する発表を行います』と述べ、全保有分を売り出し、
その上で優待は一切行わないと述べた。

 

 

彼のVALU保有者からすれば、その価値はゼロになったも同然であり、購入した額の全てがゼロになったことになる。

 

しかし、VALUは別に優待を約束するものではない。
もともとそういう目的でなく、あくまで価値の担保されている前提ではなく、購入をしてしかるべきだ。

ヒカル氏がVALUの買い戻しを行う

 

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VALUでのYouTuber空売り騒動で見るべきは構造上の欠陥

 

 

 

この記事でもその一連の騒動に触れているが、ヒカル氏が自身のVALUの買い戻しを行うと発表。彼自身が売り出した額よりも高い額で買い戻しを行なっている。なお、その資金は売り出しで得たBTCからであり、全てのVALUが買い戻しされているわけではないようだ。

 

 

スタートアップで大事なのは価値を生み出しているかどうか

もちろん、こんな発想そのものが今までの枠組みに囚われていて、新しいものを阻害するようでナンセンスだと考える人もいるだろう。新しい価値が生まれて、それを自由に取引できるなんて素晴らしいじゃないかと。
ただし、法律というのはちゃんと世の中を安心して多くの人が生きれるように構築されている。未公開株の売買がそこらへんで簡単にできたらどうだろうか?保険を誰でも作ることができて売りさばくことができたらどうだろうか?
リテラシーがないことで損をする人がいないように、多くの人が情報の精査に時間をかけずとも安心して取引ができるように、法律は存在する。『個人の自由じゃないか!』とか言い出したらキリがない。そんなこと言い出したら闇金だって『互いの合意』に基づく消費金銭貸借契約になってしまう。国民を守るために法定利息があるはずだ。

 

スタートアップは新たな概念を生み出すので、時に法律が追いついていない場合もあるのだけど、それが受け入れられる(=法律が概念に寄り添う)にはAirbnbとかUberみたいに社会に圧倒的に有益なことが絶対だと思うんだよね。そして、WELQはノーだった。

このVALUは果たして有益なのか?
人の価値を切り出して(しかも切り出した範囲というのは明確でもないし、明確な約束事でもない)それを売買するというのは誰かを有益にすることなのか?むしろ詐欺みたいな行為の温床になって、『ビットコイン=怪しい』みたいになりかねないのでは?

専門家の見解は?

実は、VALUは国会でも取り上げられた(平成29年6月18日)内容であり、先ほどのTechCrunchの記事のように、『金融庁に通ったから大丈夫だよ!』という話ではなくなっている。
この点については、サービスの発表時に有識者の持った懸念がそのまま大きくなっている感じだ。

そして、どこがどう問題なのかを考えてみる。VALUは仮想通貨法上の『仮想通貨』に該当するのだろうか?
結論として、1号仮想通貨には該当しない。しかし、、2号仮想通貨に該当するかはよく判らない

よく分からないってなんだよという感じではあるが、仮想通貨という新しい概念が未だについていけていない感じもする。
 

仮想通貨は法律上大きく2種類に分けられる

仮想通貨の定義は資金決済に関する法律の2条5項で扱われている。
その中では、2種類の定義が存在するわけである。

1号仮想通貨

物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

2号仮想通貨

不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

 

ものすごーい、ざっくりと言うと、1号は『なんか決済に使えるもの、電子マネーとか』といったあくまで通貨の目的を持ったものであり、
2号は『なんか交換できるもの』というものであると。

VALUを用いてなんらかの商品を買ったりはできないので、1号には当たらないけど、
2号には当たるかもしれないな?みたいな状況。

しかし、運営側は不特定多数の者を相手方にすることは、できない(サービス内でしか売買できないから)ため当たらないと考えているという。

VALU自体は大成功?

VALUそのものは現在非常にうまくいっている。イケダハヤト、堀江貴文、田端信太郎(敬称略)などインフルエンサーが中心となり、うまく優待を設定する(サロンとして機能させたり、宣ツイッター上で宣伝などのサービスが受けられるケースが多い)ことで消費者(VALUの購入者)の満足は得ているようである。

問題は、それをいつまでVALUの発行者が続けられるかという問題である。企業の場合は、上場すれば創業者や社長が飽きようが、なんらかの事情で仕事をできなかったとしても継続する。人が入れ替わることでむしろ企業はその価値を維持し続けることができるわけであるが、VALUの場合は本人次第だ。

仮に、VALUで資金を調達したとして、その資金で優待を続けなければいけないとするとVALU発行者が割に合わないという問題が起こる。もちろん、優待は義務ではないので、いつでも止めることができるが、止めた時に価値はゼロになる。それがいつまで続くかが1人の人間のさじ加減で決まるというところが問題なのだ。それをできる限り続ける(死ぬまでか活動をし続ける限り)前提に立つと、VALU発行主は1000万円やそこらの調達でそれをし続けるのはあまりに割に合わない。

 

もちろん、法律的に問題もあるが、その部分の問題が大きい。
今のように、VALU発行者がしっかりとマメに優待を続けている間はいいが、『飽きたからやーめよっと』ということが起こった瞬間、バブルのように信用が弾け、その価値も弾けることになるだろう。そこが問題だ。責任が担保されていない。

VALUはどこかで規制が入る

VALUで詐欺まがいのことが起こる可能性は十分ある、というかいつか必ず起こるはずだ。

その時に、法律による規制が起こるのは間違いない。

VALUで後悔している人も

 

 

このように、すでにVALU主になったはいいものの、それを辞めるときに苦労している人もいる。

それは、株主に対して『この会社たたみます』と急にやめることができないのと同じで、一回発行してしまえばそこにはある程度の責任が生じる。